『TOYOTA 86 と 道』
TOYOTAのスポーツカー86(ハチロク)が日本の峠道を巡るテレビ番組企画。
TOYOTA 86はトヨタ自動車とスバルが共同開発して作ったスポーツーカー。販売当初のキャッチコピーは「スポーツカーは、カルチャーです.」でした。
このコピーには、スポーツカーを単なる移動手段として考えるのではなく、走りを楽しみながら人と車が一緒に旅をして共に成長してほしいという願いが込められています。
テレビ番組「TOUGE峠」はそのハチロクのコンセプトをより多くの人々に発信するために企画された番組です。全国の峠道をハチロクが旅をしながらその土地独自の風景や歴史、風土を走りの中で見せていく番組です。運転手の主観の映像を軸に構成しながら、画面に登場しない主人公がナレーションによって語りを進め、時に独り言のように共にドライブするハチロクに語りかけます。
ハチロクの走りに攻めの様子は少しもありません。むしろ、路面の状況や勾配を噛みしめるようにゆったり一定の速度で進みます。また映像では「道」そのものの美しさも強調するため意図的に画角を切っています。鬱蒼とした森や高原の中を貫く曲がりくねった道は、自然物と人工物が調和し合っている様にも、せめぎ合っている様にも見えます。その意味で「道」は単なる構造物を超えた美しい造形物、またはアートと言えるかもしれません。
峠道に一台の赤いスポーツカーが悠々と走るのを見た時、人はその一点に心躍らせることができるのです。